OTCの薬理学 

市販薬でより良い医療を提供出来るように

花粉症治療薬の選び方 その1(内服)

近年いろなものがスイッチしたおかげで、病院に行く必要がなくなるくらいのラインナップになってきてます。風邪の鼻水鼻づまりに第2世代単独では効果がありませんが、花粉等のアレルギーによるものであればしっかりと効いてくれます。

いくつかカテゴリーを作って紹介したいと思います。

 

まずOTCで存在する第2世代は

・アレグラ(フェキソフェナジン)

・アレジオン(エピナスチン)

クラリチン(ロラタジン)

・ゼスラン(メキタジン)

ジルテック(セチリジン)

エバステルエバスチン)

 

です。意外と多いと思いませんか?愛好家(?)の多いザイザルはありませんが、これらと点鼻薬があれば、花粉症に関しては耳鼻科にも負けないだけの薬物治療が薬局でもできると思いませんか?

OTCがそろってきたので、風邪とか花粉症とか軽い皮膚疾患に関しては病院にかかるのと同等の治療が受けられると私は考えてます(それなりに知っている薬剤師がいれば)。

 

で、しれっとセチリジンがあったりするんです。調剤だとザイザルのせいでほとんど出ることがない気がしますが。ただ臨床試験結果を見ると、

 

レボセチリジン⇒1292例中、傾眠が67例(5.2%)(海外)

セチリジン  ⇒1396例中、傾眠が84例(6.0%)(国内)

http://file:///C:/Users/shift/Downloads/340278_4490028Q1028_1_010_1F.pdf

 

とほぼ差がないんじゃないかといった感じです。肝心の鼻炎に対する効果もレボセチリジンはセチリジンと同等と言ってますし(IF、P.18)、ザイザルの方が優れているわけではないんだと思います。

 

 

では分類に戻ります。

 

<運転する>

・アレグラFX(アレルビ、フェキソフェナジンなど)

・アレグラFXジュニア

クラリチン

・小青龍湯

 

運転が禁止されてないのはこれらだけですね。他は全部禁止です。

 

<1回の服用がいい>

・セチリジン(コンタックやストナの一部商品で)

・アレジオン

クラリチン

 

意外と需要が多いポイントだったりします。

 

<妊婦・授乳婦>

妊婦は検診があるので処方してもらえる機会はそれなりにあると思いますが、授乳婦になると病院まで行くのが少し足が遠のくのかなと思います。なので授乳婦からの相談は薬局でもそこそこあります。

 

妊婦のほうは病院によって結構方針が違うような気がするので、勝手にやると文句を言われるかもしれませんが。基本的にはクラリチン以外は販売すべきではないと思います。FADのリスク分類とオーストラリアン分類の結果を鑑みると、一番はポララミン(d-クロルフェニラミン)で二番がクラリチンです。ただOTCでd-クロルフェニラミンの単独での製品はほとんどなく色々入っているので結果をそのまま利用するのは少し雑すぎる気がします(そして単独での商品を見たことない)。なので妊婦に関しては次点のクラリチンがベストだと思われます。カフェインも入ってないしね。

 

授乳婦の場合は、クラリチンかアレグラが問題ないとされています。

授乳中に安全に使用できると考えられる薬 - 薬効順 - | 国立成育医療研究センター

ジフェンヒドラミンも大丈夫そうですが、鼻炎の薬でこの成分を含有している商品は無さそうであるのは睡眠改善薬とかとかになります。変に冒険せずクラリチンかアレグラを進めるのがいいかと思います。

 

ただどちらも一般成人よりもリスクの高い患者になるので、よく問診をしてからの販売でお願いします。

 

<アレグラもアレジオンも効かない>

結構な頻度でいます。セチリジンを試すのはありかと思いますが、第1世代に変えるほうがいい結果を出すのではないかと思います。カフェインが含有されているので眠気に関しては医療用よりもかなり軽減されていると思いますし(それでも運転は禁止)。ただし口渇には注意。

 

 

最後にですが、タリオンもそのうち商品化されそうです。

【薬食審要指導・一般薬部会】タリオンとクラリチン、初のスイッチ化了承‐アレルギー性疾患治療薬が3件 : 薬事日報ウェブサイト

もう2年が経っているのですが、タリオンは噂を聞きませんね。この時期に販売されないってことは今シーズンの販売は無さそうです。