OTCの薬理学 

市販薬でより良い医療を提供出来るように

風邪薬の比較 その1

どの分野もそうだと思いますが、比較をすることでその物の有用性が明らかになるものだと思います。OTCに関しても同じことがいえると思います。

 

何を基準にすべきかなかなか難しいですが、、、

医療用医薬品で風邪の処方に近いって考えるとパブロンエースプロでしょうか(私の主観です。)。

 

www.catalog-taisho.com

 

1回量(3錠)

イブプロフェン 200mg
L-カルボシステイン 250mg
アンブロキソール塩酸塩 15mg
ジヒドロコデインリン酸塩 8mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 20mg
クロルフェニラミンマレイン酸 2.5mg
リボフラビン(ビタミンB2 4mg

毎食後に服用

 

・解熱鎮痛作用

イブプロフェンは風邪でそこまで使用されませんが、医療用と同等の量が使われています。医療用で多いのはアセトアミノフェンロキソニンでしょうか。

絶対的な比較は難しいですが、解熱鎮痛作用は医療用医薬品と同等なのではないでしょうか。

 

・去痰作用

L-カルボシステインとアンブロキソールはどちらもよく処方箋でみる内容だと思います。アンブロキソールは医療用と同等ですが、L-カルボシステインは500mgがよくつかわれる気がしますが、この商品では250mgです。この点に関しては少し劣るところでしょうか。添付文書だと250mgのAUCは500mgの半分以下になります。効果がどの程度になるのか何とも言えませんが、粘液構成成分正常化作用に関しては劣ることになりそうです。

http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00062608.pdf

 

・鎮咳作用

風邪薬のほとんどがジヒドロコデインリン酸塩(1日量24mg)を使用しておりますが、処方箋で見るのは副作用の少ないデキストロメトルファンな気がします。IFではジヒドロコデイン(15mg)とデキストロメトルファン(10mg or 20mg)は同等とされています。容量のことを考えると、医療用の8割くらいだと思うので若干弱いくらいでしょうか。ただ試験が60年くらい前の結果なので信用できるかわかりませんが(昔は色々といい加減だった)。

ただそれを補うかのようにメチルエフェドリンが含有されています。なにかデータがあるわけではないですが、鎮咳作用も医療用と比べてそう劣るものではないように思えます。

 

・抗アレルギー作用

OTCのほとんどはdー体、lー体の混合物を使用してますが、医療用は眠気の少なく作用がl-体の2倍くらい強いとされているdー体を使用してます。2mgを1~4回なので作用は医療用の方が優秀だと思われますが、風邪の鼻水に関してはうっ血除去薬を使用しないとほとんど効果がないとされているので、実際にはほとんど変わらない(効かない?)可能性があります。

 

以上から、効果に関しては医療用のものと殆ど変わらないように思われます。

特に基礎疾患がない方で、仕事等で無理をされなければならない方には適する風邪薬なのではないでしょうか。その分値段は高めですが。。